体脂肪を落とすために効果的なトレーニングとは。
2018.09.03
男性女性問わず、体脂肪を気にされる方は多いと思います。
しかし、気にしているとはいえ、具体的な対策をしている人は少ないのではないでしょうか。
体脂肪とは不思議なもので、体重が低い人でも体脂肪率が高い人がいる一方で、体重が重くても体脂肪率は低いという人もいます。
今回は、この体脂肪を効率的に落とすためのトレーニング方法について紹介していきます。
体脂肪について
まず、体脂肪とはどんなものなのでしょうか。
体脂肪とは、文字通り体の中にたまる脂肪の事をいいますが、これはどのようなメカニズムで蓄積されていき、またどうすれば燃焼、減少させることが出来るのでしょうか。
体脂肪の役割
体脂肪は多く蓄積されることで、健康を害する原因となってしまいます。
例えば、血管系の疾患を患う可能性や、心臓系の疾患のリスクも高まります。
その他、糖尿病などの生活習慣病にもなりやすく、体脂肪が多いことでのメリットはありません。
しかし、体脂肪は人間の体を守る役割も果たしています。
生命維持のために体脂肪がエネルギーとして使われたり、体温を維持するために利用されます。
必ずしも悪い影響のみではないこの体脂肪ですが、基本的にはお腹周りや太もも、二の腕あたりに蓄積しやすくなります。
特に女性の場合は、男性よりも体脂肪がたまりやすい傾向にあります。
これは、女性の場合筋肉量が少なく、代謝のバランスが男性よりも悪いためです。
お腹周り、二の腕、太ももの脂肪はどれも女性にとっては厄介な存在といえます。
体脂肪がたまる原因①
まず最初に、体脂肪がたまる原因として、食事内容が挙げられます。
日々脂質の多い食事をしていることで体脂肪はたまっていきます。
脂質は摂取することで直接的に溜まっていきますが、気づかないところでかなりの量の脂質を摂取してしまっています。
また、揚げ物が好きな方や、脂身の多い肉を好んで食べる人は体脂肪率が高いという傾向にあります。
また、糖質(炭水化物)を多く摂取することでも体脂肪はたまっていきます。
糖質はエネルギーとして利用されるため、日々の食事の中で摂取すべき栄養素ですが、過剰に摂取すると、エネルギーとして利用されなかった糖質は余剰エネルギーとなり、これが体脂肪となって蓄積されていきます。
食事に関しては、食べるタイミングや食べる順番を変えるだけでも体脂肪の蓄積を抑制することができますので、まずはこの点から意識すると良いでしょう。
たとえば、夜の遅いタイミングで大量の糖質を摂取するのは控えましょう。
夜に糖質を取り過ぎると、寝ている間に分泌される成長ホルモンの分泌が鈍くなります。
成長ホルモンがは体脂肪の燃焼にも効果を発揮しますが、糖質を摂取することにより分泌されるインスリンというホルモンが原因となり、成長ホルモンがうまく分泌されないという問題が生じます。
睡眠の3時間前までには最後の食事を済ませておくようにしましょう。
また、夕食の際には糖質の量はなるべく少なめにし、朝の糖質量を一番多くなるようにしましょう。
体脂肪がたまる原因②
次に体脂肪がたまる原因としては、運動不足による代謝の低下があります。
運動を行わないと、筋肉の量が減少します。
筋肉は人間の代謝を司っていることから、この量は少ないと、どんどん代謝の悪い体になっていきます。
代謝とは、自然に消費されるエネルギー量のことであり、これが高い人は体脂肪がつきにくく燃えやすくなる一方、代謝が悪い人は脂肪が燃えにくくたまりやすい体になっていきます。
ですので、普段から運動の習慣がない人は、筋肉の量が少なくなり、それ故に代謝が悪くなり、結果的に体脂肪がたまりやすくなるということになります。
人間は加齢とともに代謝が落ちていきますし、筋肉の量も減っていきます。
代謝を下げないための工夫を日ごろからしていく必要があります。
体脂肪を落とすためのトレーニング
上記では、体脂肪がたまる原因を解説してきました。
特に原因②に挙げた運動不足は特に問題があり、日ごろの食が細い人で、体重が軽くても、代謝が悪いことから体脂肪率が高いという人もいます。
そこで以下では、体脂肪を落とすために有効なトレーニングについて紹介していきます。
どんなトレーニングをするか
トレーニングを行ううえでまず考えなければいけないのは、どのような運動、トレーニングを行うのかということです。
体脂肪を落とすためのトレーニングというと、汗をしっかり出しながら行う有酸素運動をイメージする人が多いと思います。
有酸素運動で体脂肪が落ちるメカニズムは、息(酸素)を吸いながら比較的ゆっくり目に体を動かすことで、脂肪をエネルギーとして利用し、それにより体脂肪が燃焼されていくということになります。
注意しなければならないのは、有酸素運動を行っても、タイミングが良くないと体脂肪が燃焼されないことがあるということです。
体脂肪を有酸素運動で燃やすには、体脂肪がエネルギーとして使われなければいけません。
しかし、食後など、体内にエネルギーが充満している状態で有酸素運動を行っても、運動で消費されるカロリーは体内のエネルギーであり、脂肪が燃焼されることはありません。
ですので、有酸素運動で体脂肪を燃焼させるためには、体内のエネルギーが枯渇している状況で行う必要があります。
つまり、有酸素運動は食事の後に行うのではなく、食事の前の空腹のタイミングで行うのが望ましいといえます。
体内に使うエネルギーが残っていない状態を飢餓状態といいますが、この状態で体を動かすには、脂肪を燃料として使うしかありません。
ですので、有酸素運動を行う上での最適なタイミングは起床後ということになります。
起床後は空腹状態にありますので、朝食の前に軽いウォーキングに出かけるなどすれば、効率的に体脂肪を燃焼させることが出来ます。
まず朝起きたら水を一杯飲んでから有酸素運動を行うという流れにしましょう。
空腹状態で激しく長時間の運動を行うのは危険ですので、30分ほどの運動時間にしましょう。
運動には、有酸素運動の他にももう1つ、無酸素運動というものがあります。
この無酸素運動は、動作の際に息を止めて行う運動の事をいい、有酸素運動とは異なり、短時間もしくは一瞬の間にパワーを発揮するような運動の事を言います。
例としては、筋力トレーニング(筋トレ)や、短距離のダッシュになります。
水泳も短距離の場合はどちらかというと無酸素運動よりの運動になります。
無酸素運動を行う事により、速筋(そっきん)という筋肉が鍛えられます。
速筋は筋肉の繊維の1本1本が太く、鍛える事により太さと大きさを増していきます。
速筋が成長すれば、それ分だけ一瞬におけるパワーの出力がアップし、ウエイトトレーニングの場合はより重い重量を扱えるようになりますし、短距離走の場合はタイムが縮まっていきます。
そして、トレーニングを行って体脂肪を燃やすためには、後者の無酸素運動を行う事を推奨します。
その理由としては、まず無酸素運動は毎日行う必要がないということがあります。
有酸素運動で脂肪を燃やすには、基本的には毎日行う必要があります。
一方、無酸素運動の場合は毎日行う必要はなく、筋肉のサイズにもよりますが、基本的には3日に1回、大きい筋肉の場合は週に1回鍛えるだけでも十分です。
また、有酸素運動の場合、同じ距離・スピードに慣れてくると、徐々に脂肪が落ちにくくなってきます。
これは、体が運動の強度に慣れてきて、なるべくエネルギーを消費しないでからだを動かせるようになるためです。
そして、筋トレをはじめとする無酸素運動の場合は、扱っている重量に慣れてきたら、より高重量のトレーニングを行えばいいのであり、トレーニング時間を増やしたり、回数を増やす必要もありません。
体脂肪燃焼のために行うべきトレーニング
無酸素運動を行うことでより効率的に体脂肪を燃焼させることが出来ると解説してきましたが、具体的にはどのようなトレーニングを行うのが良いのでしょうか。
以下では、体脂肪燃焼に効果的な筋力トレーニングを紹介していきます。
大きい筋肉から鍛える
まず、体脂肪を燃やしやすい体を作るには、大きな筋肉を鍛えることが必要になってきます。
大きな筋肉とは、具体的には下半身の筋肉、背中の筋肉、胸の筋肉を指します。
特に下半身の筋肉が体全体の筋肉量の大きな割合を占めており、70%以上の筋肉は下半身の筋肉ということになります。
下半身の筋肉には、大腿四頭筋やハムストリングスといった太ももの筋肉、お尻の筋肉、ふくらはぎの筋肉など、様々な筋肉が存在します。
下半身をまんべんなく鍛える事により、代謝の良い体を作ることができますので、しっかり鍛えるようにしましょう。
下半身のトレーニングの代表例は、スクワットになります。
スクワットを行うことで太ももの筋肉とお尻の筋肉を鍛えることが可能になります。
スクワットを行う際のコツは、腰を落とした際に、お尻と膝の高さが平行になるようにするということです。
最初はきついかもしれませんが、徐々に慣れていきますので、最初は自重でも良いので行うようにしましょう。
回数はまずは10回を1セットとし、これを最低でも3セット行いましょう。
次に背中トレーニングについて紹介します。
背中のトレーニングで行いたいのは、ラットプルダウンという種目になります。
これはトレーニングジムで行う事ができる種目ですが、これを行う事により背中の広がりと厚みを出すことが出来ます。
やり方のコツとしては、バーを上から下に引く際に、背中を反らせすぎないということと、腕の力に頼らないで背中引くということです。
最初は難しいかもしれないので、軽めの重量を扱って正しいフォームを身に付けてから重量を上げていくようにしましょう。
次に胸のトレーニングですが、胸を鍛える上で最も有効なのはベンチプレスです。
ベンチプレスを行う際のコツは、まずは手幅をしっかり決めることです。
基本的には肩幅と同じか少し広めの手幅を取るようにしましょう。
あまりに広くしすぎると大胸筋に負荷がかかりすぎてしまいますし、狭すぎると今度は腕にばかり刺激が入ってしまいます。
バーを握ったら、今度はそれを下していきますが、この際には胸の真ん中あたりに下すようにしましょう。
もしベンチプレスを行う自信がなかったり、ベンチプレスを行う事ができる施設がないという場合には、自宅で腕立て伏せを行いましょう。
腕立て伏せにも種類があり、少し動作を変えることで刺激が入る部分が変わってきます。
例えば手幅を広くすれば大胸筋上部に刺激が入りますし、手幅を狭くして行うことで内側に刺激が入りやすくなります。
トレーニング頻度
上記でも解説した通り、筋トレの場合は毎日同じ部位を鍛える必要はありません。
特に大きな筋肉の場合は週に1回でも問題ありません。
筋肉を鍛える際には、超回復いというものを意識する必要があります。
超回復とは、筋肉が疲労から完全に回復し、以前よりも成長することを言います。
基本的には大きい筋肉の場合、超回復に要する時間は72時間とされています。
つまり、1回大きな筋肉を鍛えた場合には、最低でも3日は空けて行う必要があるということになります。
まとめ
以上、体脂肪を落とすためのトレーニングについて解説してきました。
体脂肪を落とすには、基本的には筋トレなどの無酸素運動が効果的ですが、筋トレの後に有酸素運動を入れることでより体脂肪が燃焼されやすくなります。
肝心なのはとにかく継続するということですので、まずは3カ月を目安に継続してトレーニングを行っていきましょう。