自重で鍛える、肩の筋トレ

2018.07.11

肩の筋肉

腕の筋肉の中で一番大きいと言われるのは肩の筋肉。ボディビルダーやトレーニーの間では、丸くて大きい肩のことを「メロン肩」と形容します。

ノースリーブや上半身裸になった時に大きくて丸い肩の筋肉が見えたらかっこいいですよね。

そこで今回はジムに行かなくても自宅で行える自重の肩トレーニングについて紹介していきたいと思います。

肩の筋肉について

肩の筋肉
一般的に肩と呼ばれる部分の筋肉には三角筋・僧帽筋・いわゆるインナーマッスルであるローテーターカフと呼ばれる筋群があります。

三角筋は腕の筋肉の中で最も大きな筋肉で、筋肉の働きにより前部・中部・後部に大きく分けられます。

前部は腕を前にあげる動作で働きます。

ダンベルを使った代表的な種目にはフロントレイズがあります。

中部は腕を真横にあげる動作で働きます。

ダンベルを使った代表的な種目にはサイドレイズがあります。

後部は腕を背中側にあげる動作で働きます。

ダンベルを使った代表的な種目にはリアレイズがあります。

バーベル・ダンベル・マシンで行う肩のトレーニングの代表格であるショルダープレスでは三角筋を全般的に鍛える事が可能です。

僧帽筋は文字通り僧侶の帽子のごとく、首の付け根から肩甲骨・背骨という広範囲にひし形状に存在する筋肉です。

僧帽筋は大きく分けて上部・中部・下部に分かれ、上部は肩をすくめる動作、中部は腕を水平に引く動作、下部は肩甲骨を背中の下に寄せる動作でそれぞれ働きます。

上部を鍛える代表的なトレーニングにはシュラッグ、中部を鍛える代表的なトレーニングにはベントオーバーロー、下部を鍛える代表的なトレーニングにはラットプルダウンがあります。

肩のインナーマッスルには棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の四つが代表的な筋肉です。

これら四つの筋肉をあわせてローテーターカフ(回旋筋腱板)と言います。

これらの筋肉は腕の骨(上腕骨)を包み込むように存在します。肩関節は例えるとゴルフのティー(肩甲骨)の上にボール(上腕骨)が乗っかったような不安定な構造をしています。

その不安定な肩関節を安定に保つ機能をこれらの筋群は持っています。

野球やバレーボールなど腕をあげる動作をするスポーツを行なっている人には是非鍛えて欲しい筋肉です。

肩のインナーマッスルを鍛える代表的なトレーニングにはチューブを使ったトレーニングや腕を上げた位置でうちわを扇ぐような動作で鍛える事が出来ます。

肩の自重トレーニング

鏡を見る男
肩の筋肉に効かせてトレーニングするのははじめのうちは難しいと思います。

今回4種目のエクササイズを紹介しますが、姿勢・フォームに気をつけ、どこの筋肉が使われているのかを感じながらトレーニングを行なってみましょう。

1.パイクプッシュアップ

このプッシュアップは通常のプッシュアップより三角筋をメインに鍛えることのできるトレーニングです。また、二の腕の筋肉である上腕三頭筋も鍛えることのできるトレーニングです。

やり方

  1. 四つ這いになります。
  2. 両手とつま先を近づけていき、肘・膝を伸ばし股関節が約90度になるように保ち、両手とつま先で支持します。(スタートポジション)
  3. スタートポジションから頭が床に近づいていくように肘を曲げいき、頭が床につく手前まで曲げます。この状態から両手で地面を押し、スタートポジションに戻ります。
  4. この動作を繰り返します。

ポイント・注意点

・ 肘を曲げ下ろす時は、できる限り広い可動域で下ろします。
・ 股関節の角度は固定して実施します
・ 手と足の距離を短くすると強度が上がり、逆に手との距離を離すと強度が下り、胸へのトレーニング効果が強まります。しかし、ももの裏の筋肉(ハムストリングス)の柔軟性がない場合、姿勢を取るのが難しいです。

上級者向け

足を椅子や段差の上に乗せて実施します。この方法で実施すれば、ハムストリングスが硬い人でも簡単に強度をあげることができます。乗せる高さが上がれば上がるほど強度は上がっていきます。
やり方は椅子や段差の上に足を乗せて実施する以外は通常のパイクプッシュアップと変わりません。高さが上がった分、可動範囲が広がるので、曲げられるところまで曲げ、伸ばせるところまで伸ばすことを意識して実施します。

2.ナロープッシュアップ

このプッシュアップは通常のプッシュアップより手幅を狭く取ることで、三角筋の前部を特に鍛えることのできるトレーニングです。パイクプッシュアップ同様、二の腕の筋肉である上腕三頭筋も鍛えることのできるトレーニングです。

やり方

  1. 肩の真下に手を置き、手幅を肩幅もしくは肩幅よりやや狭めに取ります。
  2. ①の手の位置のまま、つま先と手の三点で体重を支持します。この時の姿勢は耳・肩・股関節・膝・外くるぶしが一直線に位置するように保ちます。(スタートポジション)
  3. 姿勢を保持したまま脇を締めながらあごもしくは胸が床につく位まで肘を曲げていきます。あごもしくは胸が床につく位まで下がったらゆっくり肘を伸ばし、床を押してスタートポジションに戻ります。
  4. この動作を繰り返します。

ポイント・注意点

  • 肘を曲げていく時も姿勢はスタートポジションを保ちながら下ろします。
  • 背中が丸まらないよう、目線は手をついた位置よりやや上を見て実施します。

初心者向け

椅子や段差の上に手を乗せて実施します。

やり方は通常のナロープッシュアップと同様です。

椅子や段差の高さが上がれば上がるほど、難易度は下がっていきます。

そのほかの難易度を下げる方法には、床に膝をついて実施する方法もあります。

この時も姿勢は耳から膝関節まで一直線を保ちます。

上級者向け

椅子や段差の上に足を乗せて実施します。

椅子や段差の高さが上がれば上がるほど難易度は上がっていきます。

やり方は通常のナロープッシュアップと同様です。

3.逆立ちプッシュアップ

逆立ちで行うことにより、通常のプッシュアップより難易度が高くなります。

上腕三頭筋の筋力がないと可動域を広く実施することができないので、パイクプッシュアップなどでは物足りなくなった人にオススメのトレーニングです。

やり方

  1. 壁などを使い、逆立ちをします。この時の手幅は肩幅よりやや広く取ります。(スタートポジション)
  2. 床に頭が近づくように肘を曲げていきます。頭が床につく手前まで下がったらゆっくり肘を伸ばし、床を押してスタートポジションに戻ります。
  3. この動作を繰り返します。

ポイント・注意点

  • 頭に血がのぼるので、長時間逆立ち姿勢を取らないようにします。また、適宜休憩をとって実施しましょう。
  • プッシュアップ動作時の可動域を広く取れない場合は難易度を落とし、パイクプッシュアップ・ダンベルショルダープレスなどの種目を行い、ある程度の筋力を獲得してから実施しましょう。

4.ウィンドミル

ウィンドミルの名の通り、風車の羽のように腕を伸ばし片方の腕で支持するトレーニングです。

三角筋の中部を鍛えることができます。

また姿勢保持する際に肩のインナーマッスルや腹筋(腹斜筋・腹直筋)といった体幹の筋肉も鍛えることができます。

やり方

右手で支持する場合

  1. 肩の真下に手を置き、手幅を肩幅よりやや広めに取ります。
  2. ①の手の位置のまま、つま先と手の三点で体重を支持します。この時の姿勢は耳・肩・股関節・膝・外くるぶしが一直線に位置するように保ちます。(スタートポジション)
  3. スタートポジションから左手を離し、右手・右足小指側側面・左足親指側側面の三点で支持します。この時、左の手は右手が一直線になるように保ち、真横から見た時にTの字に見えるように姿勢を保持します。
  4. 2-3秒保持した後、スタートポジションに戻ります。
  5. 左側も同様の動作を行い、左右交互に実施します。

ポイント・注意点

  • お尻の位置が低すぎたり高すぎたりすることがあるので、腕立て姿勢から片手支持の姿勢になってもお尻骨盤の高さが変わらないように注意します。
  • 片手支持になった時、両手を結んだ線が床に対して垂直になるように姿勢を保ちます。

上級者向け

通常のやり方(右手支持)では、右手・右足小指側側面・左足親指側側面の三点で支持しますが、難易度をあげるために左足を上げ、右手・右足小指側側面の二点で支持します。

このように実施することで、不安手になり三角筋の中部や肩のインナーマッスルの強化に効果的なトレーニングになります。

回数・セット数・頻度について

筋トレ
まずは10回3セットから始め1セットごとの回数を徐々に増やして行きましょう。

頻度ですが、3日に1度程度(週に2-3回)を目安に実施するのが望ましいです。

まとめ

今回4種類の自重で行う肩のトレーニングを紹介しました。

肩の筋肉は鍛えるのが難しい筋肉ですが、肩の筋肉を意識してトレーニングを続けていくと必ず効果を実感できると思います。

丸くて大きいメロン肩を目指し、継続してトレーニングしてみましょう。