植物性タンパク質の多い食べ物について
2018.07.14
脂質、糖質と並んで三大栄養素と呼ばれるタンパク質ですが、このタンパク質には動物性タンパク質と植物性タンパク質の2種類が存在します
これらは同じタンパク質でありながら、微妙に働きや効果が異なってきますが、どのような特徴を持っているのでしょうか。
そこで今回の記事では、まず両者の特徴について解説したうえで、植物性タンパク質を多く含む食べ物について解説していきます。
タンパク質の役割
タンパク質にはさまざまな役割があり、人間の体に対してメリットとなる効果を果たしてくれます。
筋肉に対する効果
まずはタンパク質は人間の筋肉を構成する上で欠かせない栄養素です。
タンパク質は複数のアミノ酸が結合してできていますが、人間の筋肉もアミノ酸から構成されています。
筋トレをする人やアスリートはもちろん、運動の習慣がない人でも、日常の意識しないところで筋肉を使っています。
歩く、走る、起きるなどの何気ない動作でも筋肉を使用しているので、この筋肉を維持して健康でいるためにも、タンパク質の摂取は欠かせないということになります。
アミノ酸は筋肉の材料となるだけでなく、エネルギー源としても利用されることから、人間の体内のエネルギー源が不足することにより、筋肉がアミノ酸に分解され、それがエネルギーとして利用されます。
こういった意味からも、たんぱく質が果たす役割というのは大きいといえます。
また、筋肉以外にも人間の体はアミノ酸から構成されており、例えば骨や内臓、血液もアミノ酸から構成されています。
骨というとどうしてもカルシウムメインであり、カルシウムをしっかり摂取することが大事と思われがちですが、タンパク質もしっかり摂取しないと強い骨を作ることはできませんし、成長期のお子様もしっかり摂りましょう。
また、髪の毛や肌爪もアミノ酸から構成されていますので、タンパク質が不足することにより肌が荒れたり髪や爪がボロボロになる傾向にあります。
特に女性にとって肌、髪の健康は重要なウエイトを占めると思います。
同時に女性はダイエット目的でしばしば食事の量を減らしてしまいがちであり、それによりタンパク質が不足する傾向にあります。
ですので、ダイエットを行う女性であってもタンパク質は必要で、是非日々摂取してほしい栄養素です。
動物性か、植物性か
タンパク質には動物性タンパク質と植物性タンパク質の2種類があると解説しましたが、
それぞれどのような特徴を持つのでしょうか
動物性タンパク質特徴
動物性タンパク質とは、牛、豚、鶏の肉類や魚介類、または卵、乳製品に含まれるタンパク質を指します。
これら動物性タンパク質は、人間の筋肉のアミノ酸組成と類似していることからより吸収効率が高いとされています。
吸収効率が高い分、筋肉やその他の体の構造に対してのメリットを享受しやすくなるということですので、上記で紹介したタンパク質の効果を得るうえでは動物性タンパク質は非常に有効なタンパク源といえます。
アミノ酸の配合量をスコア化したアミノ酸スコアというものも、満点の100をもつものがほとんどで、牛乳を原料とするホエイプロテインも、アミノ酸スコアは100です。
その他、肉類にはビタミンB群やC、鉄分などの栄養素が豊富ですので、筋肉などの健康維持のためだけでなく、貧血防止や免疫力向上などの効果も期待できます
植物性タンパク質の特徴
次に、植物性タンパク質の特徴については、まずは動物性タンパク質よりも特定のアミノ酸の量が多いという点が挙げられます。
バリン、ロイシン、イソロイシンから成るBCAAを始めとする必須アミノ酸の量に関しては動物性タンパク質よりも劣りますが、特定のアミノ酸、例えばグルタミンやアルギニンは植物性タンパク質のほうが優れています。
アルギニンは血管を拡張させる効果があることから、血流の改善にも寄与してくれますし、グルタミンは腸に働きかけることにより免疫力を改善させ、また筋肉の回復を早める子等価も期待できます。
植物性タンパク質の代表例としては、納豆や豆腐などの大豆製品があり、その他にもインゲンやソラマメなどの豆類や最近話題のスーパーフードであるヘンプシードやキヌアにも多く含まれています。
また、大豆に多く含まれるイソフラボンという成分は、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きを持つことから、女性が摂取するとより高い効果を得ることができるとされます。
もちろん、男性が摂取しても問題はありませんが、過剰摂取による影響については今後の研究の結果が待たれています。
植物性タンパク質、特に大豆製品は腹持ちが良いことでも知られ、また栄養の吸収スピードが緩やかであるとされます。
ですので、小腹が空いた時に食べることで空腹を抑制できますし、長時間にわたり栄養を送り続けることができることから、筋肉の分解を予防することも可能になります。
この植物性タンパク質ですが、実は人間にとって有益となるアミノ酸の他にも、タンパク質の吸収を弱めてしまう制限アミノ酸というアミノ酸も含まれていることから、動物性タンパク質と比べて吸収効率が良くないとされ、アミノ酸スコアも100に満たない数値となっています。
ベジタリアンやビーガンの人にとっては欠かせないタンパク源と言えますが、可能であれば肉類や魚類からとれる植物性タンパク質も一緒に組み合わせて摂取しておくと効果的です。
動物性タンパク質と植物性タンパク質の良い面を引き出すために、摂取するタイミングを考慮するとより効果的といえます。
植物性タンパク質を多く含む食べ物
では、植物性タンパク質を多く含む食べ物について紹介していきます。
予想通りの食材から、意外な食材まであると思いますので、是非参考にして摂取を考えてみてください。
植物性タンパク質を多く含む食べ物の一覧
以下には、植物性タンパク質をたくさん含む食べ物の一覧を示しておきます。
わかりやすいように100gあたりのタンパク質量を記載しておきます。
- 大豆 10から13g
- 豆腐 6g
- 枝豆 7g
- 納豆 5g
- ブロッコリー 4g
- そば 10g
- キヌア 13g
このようになっています。
また、大豆を原料としたソイプロテインというものの販売もされていますので、サプリメントの形で摂取することで、より手軽に効率的にタンパク質を摂ることが可能になります。
ソイプロテインはカロリーも低いので、ダイエットにも効果的です。
植物性タンパク質の特徴や、タンパク質以外の栄養素であるビタミンやミネラルが豊富に配合されている点や、健康に良い脂質が含まれている点にあります。
例えば、先ほども紹介したように大豆にはアルギニン、グルタミンが豊富胃配合されている他、豆腐や納豆にはマグネシウムや鉄などのミネラルも豊富に配合されています
ブロッコリーに関しても、ビタミンCが豊富に含まれており、ビタミンCの多いイメージのあるレモンの約2倍の量のビタミンCが含まれている他、カリウム、葉酸などの栄養素も豊富に含まれ、栄養価の高い食材といえますので、ひびのレシピの中に取り入れたい食材です。
そしてヘンプシードには必須アミノ酸が含まれているだけでなく、良質な脂質が多く、必須脂肪酸でありオメガ6とオメガ3のバランスが絶妙とされており、健康維持のために役立つ食品といえます。
普段の食事の中にも、意識的に植物由来のタンパク質を入れることで、タンパク質だけでなく祖ほのかの健康メリットを享受することができます。
調理の際の注意点
植物性タンパク質は野菜類にも多く含まれますが、その際、調理方法によって栄養面に差が出るといわれています。
例えばブロッコリーの場合、基本的には茹でて食べることが多いと思いますが、茹でることで栄養素が溶け出してしまうとされます。
そこで、可能であれば蒸す、炒めるなどして食べることをおすすめします。
炒めることで余計な脂質を摂ってしまうというのが嫌であれば、茹でて食べるのも良いと思います。
まとめ
以上、植物性タンパク質を多く含む食材について解説してきました。
植物性タンパク質には、動物性タンパク質にはないメリットもある一方で、動物性タンパク質よりも劣る点もあります。
あまり極端にどちらかだけを摂取するというのではなく、毎日の食事の中でメニューを決める際、両者をバランス良く使い分けることも大事になってきます。
両者を同時に摂取することで、吸収のスピードも異なることから、筋肉へ素早く栄養を送ることができる一方、緩やかに吸収されエネルギーの枯渇を防ぐという効果を得ることも可能です。
今回の記事を参考にして、理想的な体を手に入れましょう。