体脂肪を効率よく落とすために必要な食事方法とは。食べ方のコツ

2018.09.17

食事をする男性

日ごろ運動をされている方もそうでない方でも、体脂肪というものは何かと気になるものだと思います。

特に年齢を重ねるごとに体脂肪は蓄積される傾向にありますが、その原因の1つに食事があります。

日ごろの食生活が乱れることにより、体脂肪は簡単に蓄積されていきますが、これを防ぐにはどうしたら良いのでしょうか。

そこで今回の記事では、体脂肪を落とすために必要になる食事方法について解説していきます。

体脂肪はどうしてたまるのか

日々何気なく生活しているだけで、自然と体脂肪がたまっていってしまうということはないでしょうか。

食事内容に関して特に問題なしと思っていても、実は自然と体脂肪がつきやすいような食事になってしまっているというケースが多くあります。

以下では、体脂肪がたまるメカニズムについて解説していきます。

三大栄養素のバランスが悪い

三大栄養素という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか。

三大栄養素とは、タンパク質・糖質・脂質のことをいい、これらのバランスをしっかりとれた食事を行うことで健康的な生活を送ることができます。

一方で、この三大栄養素のバランスが悪いとどんどん体脂肪がたまっていき、気づいたらブヨブヨの体型になってしまっています。

体脂肪というと、脂質の多いものを食べることで蓄積されるというイメージがあります。

もちろん、脂質は直接脂肪となって蓄積されるため、脂質の多い食材を食べれば体脂肪はたまっていきます。

肉を食べる際にも脂身の多いものを食べたり、油を多く使う中華料理を好んで食べているような人は、体脂肪がたまる傾向にあります。

脂質は1gで9kcalあり、知らず知らずのうちに大量に摂取してしまっています。

次に糖質について検討します。

糖質も、過剰に摂取することで体脂肪を蓄積させる原因になります。

これはどういう事かというと、糖質(炭水化物)を摂取することで、これがブドウ糖に分解されます。

このブドウ糖が血中に入ることで血糖値が上昇していきます。

血糖値が上昇すると、今度はこれを下げようとしてインスリンというホルモンが分泌されるようになります。

この過程において糖質がエネルギーとして使われる一方、エネルギーとして利用されなかった糖質は肝臓に蓄積され、これが体脂肪として体内に貯蔵されます。

糖質は自動車でいうところのガソリンのようなものであり、多く摂取することによりエネルギーを生み出すことができますが、自動車に入り切らないガソリンは車外にこぼれ落ちてしまいます。

糖質も同じで、体を動かすのに必要な糖質以外は余計なエネルギーとして蓄積され、それが体脂肪として蓄積されるということになります。

食事の仕方がまずい

もう1つ、体脂肪がたまりやすい原因として、食事の仕方に問題があるということが考えられます。

食事の仕方とは、すなわち食事をとるタイミングや1回の食事量のことを言います。

例えば食事を夜遅くに摂り、そのまま眠ってしまうと、脂肪として蓄積されやすくなりますし、また、1回の食事で大量のカロリーを摂る、すなわちドカ食いをすることで、一気に血糖値が上昇し、それにより体脂肪が増えていきます。

また、過度の空腹状態の時に高カロリーの食事をすることで、カロリーの吸収率が上がりすぎてしまい、それが体脂肪の蓄積を招きます。

体脂肪の役割

太っている男性とスリムな男性
体脂肪は人間をはじめとする動物にとって、どのような役割をもっているのでしょうか。

体脂肪はエネルギー維持や体温を一定に保つ上で欠かせない役割を果たしており、人間が生きていくためにはなくてはならないものです。

例えば体脂肪率が1%や2%では人間は生きていくことはほぼ不可能ですし、仮に生きることが出来たとしても体温調節がうまくいかず、呼吸するだけでフラフラした状態になってしまいます。

よく、タレントなどが「体脂肪率3%です」などと言っていますが、おそらく本当に体脂肪率が3%なら笑顔で話すことも不可能だと思います。

アスリートと一般人では適正な体脂肪率は異なっており、またアスリートであっても、行う競技によって求められる体脂肪率は変わってきます。

例えば、陸上の短距離選手であれば、余計な脂肪をなるべく排除し、筋肉量を多くすることが求められる一方、シンクロナイズドスイミングの選手やプロ野球選手のピッチャーなどは、ある程度の体脂肪率が求められます。

これは、シンクロナイズドスイミングの場合は体脂肪があることで浮遊力が増し、またピッチャーにおいては長いイニングを投げる際に消耗するスタミナを維持するために必要とされるためです。

また、女性の場合は体脂肪があることにより体を冷えから守り、将来妊娠した時に胎児を守れるようにします。

このように、体脂肪はスポーツを行う際や、生きていくうえで重要な役割を果たすため、決して悪い側面だけを見るのは危険です。

しかし、一方で体脂肪率が高すぎることで起きる弊害もあります。

まず、体脂肪が多いことは肥満につながります。

そしてこの肥満状態が、様々な疾病につながっていきます。

まずは心臓系の疾患。

体脂肪が蓄積されることにより、血の循環が悪くなります。

心臓は循環器と呼ばれ、血液を体内に運搬する役割を持ちます。

しかし、体脂肪が原因で血流が悪くなることにより、心臓の機能が弱まり、また心臓部分が圧迫されることよる狭心症や心筋梗塞を引き起こす可能性も高まります。

さらには、脳梗塞や脳卒中といった脳関係の病気にも影響しています。

日本は長寿大国ですが、長生きされている方を見ると例外なく痩せています。

これは高齢による筋肉の減少も原因していますが、体脂肪が低いことも要因の1つです。

確かに、太ったご長寿は見たことがないですし、やはり体脂肪率が高いとそれだけ寿命も短くなってしまうということになります。

適性な体脂肪率としては、アスリートの場合は6~13%、平均的な体脂肪率(男性)としては18~24%とされます。

そして、25%を超えるあたりで肥満として認定されます。

よく、BMIというものが肥満かどうかを判断する指標として利用されますが、これは身長と体重だけで判断されるものであり、肝心の体脂肪率と筋肉量は考慮されません。

したがって、筋肉量が多く体脂肪率が低くても、体重が重ければ肥満と判断されます。

これは決して正確な測定方法とはいえませんので、是非とも体脂肪率を計測して、今のご自身は正常な状態にあるのかどうかを判断してください。

体脂肪を減らすための食事

皿に盛られた食事
では、体脂肪を減らす、もしくはコントロールするためには、どのような食事を摂るべきでしょうか。

食事だけで燃えるということはない

まず認識していただきたいのは、食事内容を変えるだけで体脂肪が勝手に減るということはないということです。

何かを食べ、それが脂肪を取り去ってくれるということはないので、あくまでも体脂肪率が高い人は、まずは体脂肪を増やさないということを意識して食事をするようにしましょう。

よく、辛い物を食べると体脂肪が燃えると言われています。

確かに辛い物を食べることで体温を上げ、代謝を促進することが出来ますが、劇的に体脂肪を減らすことはできません。

腸内環境を整える

腸内環境を整えることで、体の中にたまった老廃物を排出しやすくなります。

腸内環境をよくするために有効な栄養成分としては、食物繊維があります。

実は食物繊維は糖質の一部だということをご存知でしょうか。

糖質とは、炭水化物と食物繊維のことを指しますが、過度な糖質制限を行うことで食物繊維の摂取量も減ってしまうので、これにより便秘になったりします。

ですので、食物繊維は意識して摂取するようにしましょう。

食物繊維が多い食材としては、キノコ類やブロッコリーがあります。

特にブロッコリーは血糖値の上昇も緩やかですので、たくさん食べても太るということはなく、またキノコ類を多めに摂取することで、お腹の調子を整えることが出来ます。

筋肉を成長させるための食事を摂る

先ほど、食事だけで体脂肪を減らすことはできないと解説しました。

ですが、運動と食事管理を組み合わせることで、代謝のよい体を作ることができるようになります。

代謝が良いとはどういう事かというと、運動を特にしていなくても、勝手にカロリーを消費してくれるということであり、代謝が高い人と低い人では、同じカロリーの食事を摂っても、脂肪のつき方が違います。

そして、代謝に大きく関与しているのが筋肉です。

筋肉の量を増やすことにより、代謝がアップしていき、それにより体脂肪を燃えやすく、つきにくい体に変えることが出来ます。

筋肉を付けるには、筋力トレーニングをはじめとする、筋肉に刺激を与える運動を行う事が大事になります。

そして、筋肉が成長するには筋トレだけでは不十分で、しっかりとした栄養摂取と休養を与えることが大事です。

筋肉を成長させるには、タンパク質をしっかり摂取する必要があります。

タンパク質は筋肉の材料となる他、運動で壊れた筋肉を修復する効果もあるので、三大栄養素の中でも特に意識して摂取すべき栄養素といえます。

タンパク質を多く含む食材は、肉類や魚類、卵、乳製品、大豆製品があります。

肉を食べる場合には、脂肪の部分をカットし、純粋な肉の部分を食べるようにしないと、脂肪がたまってしまいます。

鶏肉を食べる場合には、もも肉よりも胸肉、牛肉のや豚肉の場合はヒレ肉を食べるようにしましょう。

筋肉を成長させるためには、運動を行いつつ、1日に体重1㎏あたり最低でも1g、可能であれば2g摂取しましょう。

つまり、体重が70㎏の人の場合は、1日に70g~140gのタンパク質が必要になります。

糖質や脂質もこだわる

三大栄養素について上記で解説しましたが、脂質や糖質も、1日の中で適量摂取する必要があります。

そして、糖質(炭水化物)と脂質にも種類があり、どのような種類の糖質・脂質を摂取する課で体脂肪のつき方も変わってきます。

まず、糖質について。

糖質に関しては、主食である白米を筆頭に、うどんやラーメン、パスタなどの小麦粉を主成分とした麺類があります。

こうした食材は、摂取することで血糖値を一気に上昇させることから、食べることにより体脂肪をつきやすくしてしまいます。

こうした糖質は、運動前に摂取すれば素早くエネルギーに変換できることから、体を動かす前に食べることを意識しましょう。

それ以外のタイミングでは過剰に摂取することを控え、適量を食べるようにしましょう。

また、糖質を摂取する際には、血糖値の上昇を緩やかにするような食材を選んで食べるようにしましょう。

血糖値上昇のスピードを示す値をGI値といいます。

このGI値が高い食材は、食べることで血糖値を素早く上げる働きがある一方で、低い食材は血糖値の上昇が緩やかになります。

したがって、糖質で体脂肪の増加を防ぎたい場合には、GI値の低い食材を選択するようにしましょう。

GI値の数値については、ネットでも簡単に調べることが可能です。

一例を挙げると、玄米・オートミール・そばなどがあります。

これらの食材はGI値が低いだけでなく、食物繊維の量も豊富ですので、お腹の調子を整える効果も期待できます。

自炊する際や外食する際にも、この点に着目して食べるようにしましょう。

次に、脂質について。

油にも種類があり、体に悪い油と良い油があります。

体に悪い油の代表例としては、サラダ油やマーガリンに多く含まれる飽和脂肪酸というものです。

この飽和脂肪酸は、摂取することで悪玉コレステロールの量を増やし、血管を詰まらせる原因になるなど、健康を害する可能性があります。

一方、体に良い油としては、オリーブオイルやフィッシュオイルなどがあります。

これらの油はコレステロール値や中性脂肪を下げ、血液をサラサラにする効果があります。

値段は高価になりますが、その分体に良いので意識して摂取するようにしましょう。

まとめ

以上、体脂肪を落とすために必要な食事について解説してきました。

食事は人間が毎日行うものであり、生命維持活動の1つともいえます。

この日々の食事をないがしろにすると、いつの間にか健康を害しており、気づいた時には手遅れになってしまっているということがあります。

食事は食欲を満たすためだけのものではなく、健康な体を作るために必要な作業といえます。

まずは日々の食事の中での悪い習慣を正した上で、今回紹介した内容を参考にして、食生活を見直していきましょう。

そして、運動習慣を身に付けるということも忘れないで下さい。