減量中の筋肉の減少を抑制する方法
2018.08.08
筋トレを行う人にとっては、筋肉を大きくするために筋トレ積極的に行う事はもちろんですが、その鍛えた筋肉をよりはっきりと見せるために、脂肪を落とす必要があります。
筋トレを行う人、すなわちトレーニーにとってはいかに筋肉の輪郭を見せることが出来るのかがポイントになります。
しかし、減量に伴い、脂肪を同時に落としつつ筋肉の量を維持することも意識しなければならず、ただ単に体重を落とすだけでは思うような結果を得ることができません。
そこで今回の記事では、減量中に筋肉の減少を抑制し、効率的にダイエットを行う方法について解説していきます。
減量(ダイエット)の考え方
減量という言葉を聞くと、体重を落としていくというイメージが強いのが事実だと思います。
しかし、真に減量に成功したといえるためには、ただ単に体重を落とすだけでは不十分です。
減量=体脂肪を落とすこと
減量について、単に体重を落とすだけではダメだとすると、どのような結果をもって減量成功といえるのでしょうか。
減量、もしくはダイエットについては、明確な定義こそありませんが、理想的なダイエットとは、筋肉の量を維持しつつ体脂肪を落とすということに主眼を置くべきです。
というのも、体重ばかりに意識が向いてしまい、過度な食事制限を行ったり有酸素運動ばかりを行っていても、短期的には体重は落ちても、長期的に見たときにその体型をキープできないという問題が生じます。
というのも、食事制限と有酸素運動だけで体重を落とそうとすると、体脂肪も落ちますが、同時に筋肉の量も減ってしまいます。
筋肉の量が減少することにより代謝がダウンし、太りやすく脂肪が燃焼しにくい体質になってしまいます。
ですので、ダイエットにおいて意識するのは体重ではなく、あくまでも体脂肪を何%落とせたかということに主眼を置きましょう。
体重はそこまで落ちていないけれど、体脂肪は落ちているという状況であれば、筋肉量を減らさずに体脂肪を落とせているということになります。
筋肉を増やしつつ体脂肪を減らすことは可能?
では、ダイエットについては体脂肪を減らすことが大事であると認識したうえで、筋肉量を維持もしくは増加させつつ、体脂肪を減らすことは可能なのでしょうか。
これに関してはかなり難しく、やはり体脂肪を減らす過程でどうしても筋肉の量は減少してしまう傾向にあり、良くても筋肉量を維持ということになってしまいます。
よく、プロのアスリートがオフシーズンに体脂肪を減らしつつ筋肉が〇kg増えたというニュースがありますが、正直なところこれは正確な情報ではないと考えます。
体脂肪を減らしつつ筋肉を付けることは難しく、また筋肉で体重を増やすには相当な努力が必要であり、かなりのカロリーを摂取しないと不可能ですので、筋肉だけで数kg増やすことは限りなく不可能です。
しかし、例外もあります。
筋トレを始めたばかりの人で、まだまだ筋肉量が少ない人の場合は、筋トレをして筋肉をつけつつ、体脂肪を落とすことも可能です。
運動の習慣がない人ほど筋肉が付きやすい傾向にあります。
なぜ減量中は筋肉が減るのか
では、どうして減量を行うと筋肉も一緒に落ちてしまうのでしょうか。
ダイエットを行う、つまり体脂肪を落とす場合には、体脂肪をエネルギーとして使う必要があります。
体脂肪をエネルギーに使うには、体の中のエネルギー量を減らし、脂肪を燃料として使わざるを得ない状況を作ることが必要になります。
この状況を作るは、消費カロリーが摂取カロリーを上回る必要があり、それにより筋肉の量も減ってしまいます。
筋肉の量を維持もしくは増やしていくには、摂取カロリーが消費カロリーを上回るようにしないといけませんので、減量中においては、筋肉の減少はやむを得ないことといえます。
筋肉を残しつつ体脂肪を落とす方法
減量を行う上では筋肉の減少は避けられないとしても、それを最小限に食い止める方法はあります。
以下で解説する内容を参考にして、筋肉量の減少を食い止めましょう。
食事に気を遣う
減量期は増量期以上に食事内容に気を遣う必要があります。
可能な限り筋肉の量を減らすことなく脂肪を落とすには、運動以外にも適切な栄養摂取が大事になります。
まず、筋肉をキープするためには、タンパク質の摂取が大事になってきます。
タンパク質は筋肉の材料となり、筋肉を作る働きがある他、筋肉量をキープさせることにも寄与します。
タンパク質はアミノ酸から構成されていますが、エネルギーが体内にないとこの筋肉がアミノ酸に分解されてしまい、筋肉が減少してしまいます。
これを食い止めるためにタンパク質を摂取していくことになります。
一般的には、筋肉量を増やすにはタンパク質を1日に体重1㎏あたり2gのタンパク質の摂取が必要とされます。
つまり、体重が60kgの人の場合は、1日に必要なタンパク質量は、120gということになります。
また、どうしても筋肉量をキープしたいと思う場合は、1kgあたり3g以上のタンパク質を摂取するという方法もあります。
注意すべきは、タンパク質を多く摂取しようとしてほかの余計なカロリーを摂取してしまうと脂肪も蓄積されてしまいますので、純粋なタンパク質を摂取するように心がけましょう。
例えば肉を食べる場合には、赤身の肉を食べたり、皮を剥いで食べることで脂質を抑えることが出来ます。
また、タンパク質の過剰な摂取は内臓に負担を掛けたり、お腹の調子を崩す恐れもあります。
タンパク質が筋肉の維持に大事とはいえ、その点は注意しながら摂取するようにしましょう。
また、減量期であっても、糖質(炭水化物)の摂取量は0にしないようにしましょう。
コンテストや計量の直前に糖質をカットするのはやむを得ないとしても、常に糖質の摂取をカットしてしまうと集中力が低減したり、フラフラしてしまうなど、日常生活に影響が出ます。
確かに糖質を完全にカットするダイエット方法もありますが、若干付け焼刃的な要素も強いので、ある程度ダイエット期間を確保できる場合には、糖質も摂取しつつ減量を行っていきましょう。
しかし、だからといって糖質を大量に摂取すれば余計な脂肪を蓄えてしまいます。
そこで、摂取する糖質の種類を考えて食べることを意識してください。
同じ糖質でも、食べた後の血糖値の上昇が緩やかなものとそうでないものがあります。
血糖値が上昇するとインスリンというホルモンが分泌されますが、これにより脂肪を蓄えやすくなってしまいます。
そこで、減量期においてはなるべく血糖値が上昇しないような糖質を摂取することを意識しましょう。
血糖値の上昇スピードを数値化したものをGI値と言いますが、減量期においてはこのGI値が低い食材を食べるようにしましょう。
GI値が低い代表的な食材は、オートミール、玄米、蕎麦、全粒粉パン、サツマイモなどです。
これらの食材はGI値が低いだけでなく、ビタミンやミネラルなどの栄養素も多く、タンパク質が豊富なものも多いのが特徴です。
糖質の量に関しては、朝はしっかりと摂取して、夜にかけて量を減らすという手法をとりましょう。
筋トレを充実させる
これは増量期も減量期も同じことですが、筋トレをしっかり行うということも大事になります。
減量期における筋トレでは、筋量をキープすることに主眼を置いたトレーニングになりますので、増量期よりもむしろ真剣にトレーニングに励むくらいの意識で取り組むようにしましょう。
特に減量期においては、腕や肩、腹筋といったトレーニングはもちろんのこと、大きな筋肉のトレーニング頻度を上げるのもおすすめです。
大きい筋肉は脚(下半身)、背中、胸の筋肉になりますが、これらを週に1回から2回に増やすなどの調整をしても良いとおもいます。
また、有酸素運動を行う場合には、必ずトレーニングを終えた後に行うようにしましょう。
トレーニング後はエネルギーが枯渇しているので、ここで有酸素運動を行う事で、効率的に体脂肪を燃焼させることが出来ます。
くれぐれも有酸素運動を行ってから筋トレをしないようにしましょう。
この流れで運動を行うと、筋トレ時にエネルギーが残っておらず、しかも筋肉が削られてしまいます。
減量期のトレーニング方法
減量期においては大きい筋肉のトレーニング頻度を上げることをおすすめしましたが、さらに扱う重量も意識しましょう。
減量期においては、増量期や通常期に比べてエネルギーが少ないことから、扱える重量も下がってしまう可能性があります。
ですので、減量期においては重量が落ちる分、回数を多めにこなして筋肉に刺激や負荷を与えるようにしましょう。
回数を増やしていけば、落ちた重量をカバーできますし、レップ数をこなすことで脂肪の燃焼にもつながりますので、ダイエットに効果的です。
減量中に活用したいサプリメント
減量期においては、栄養摂取が大事になることは上記で説明しました。
しかし、毎日の食事の中でタンパク質をしっかり摂取しつつ、また栄養のバランスの取れた食事を続けるのは非常に難しいというのが正直なところです。
そこで、食事に加えてサプリメントを摂取して必要な栄養素を補うことをおすすめします。
プロテインで効果的にタンパク質摂取
まず、筋肉の維持に必要なタンパク質については、プロテインを活用することで効率的に摂取することができます。
プロテインとはタンパク質を英語で表現したものですが、国内外多くのメーカーから販売されています。
プロテインの特徴としては、純粋なタンパク質を摂取することができ、余計な糖質や脂質の量が少ないというところにあります。
メーカーによって1杯あたりのタンパク質含有量は違いますが、基本的に1杯で15g~20gほどのタンパク質を摂取可能です。
プロテインには牛乳を原料としたホエイプロテインと、大豆を原料としたソイプロテインがあります。
動物性タンパク質であるホエイプロテインのほうが、より吸収効率が高いですが、ソイプロテインは腹持ちが良く、小腹が空いた時に摂取するのがおすすめです。
その他、牛乳を原料と下プロテインとしてカゼインプロテインというものもあります。
これもソイプロテインに似て吸収のスピードが緩やかであるという特徴を持ちますので、就寝前に摂取すれば筋肉の分解を防ぐことができますし、空腹時に飲めば腹の足しにもなります。
おすすめの摂取タイミングは、トレーニング後、起床後、就寝前になります。
1日の摂取タンパク質量を決めたうえで、食事だけで補えない部分をプロテインで補給しましょう。
筋肉の分解を抑制するBCAA
トレーニング中のドリンクとして摂取をおすすめしたいのがBCAAです。
BCAAは必須アミノ酸であるバリン、ロイシン、イソロイシンから構成されるサプリメントですが、その効果は様々あります。
そして、BCAAの効果の1つとして、筋肉の分解を抑制するという効果があります。
BCAAの摂取方法については、基本的にはトレーニングの前、中、後にこまめに摂取するのがおすすめで、トレーニング中に摂取することで筋肉の分解を抑制できるほか、集中力の維持にも効果的です。
また、筋肉の合成を促進してくれる効果もあるので、減量期においては大きな助けとなります。
コンテスト直前や計量直前にはプロテインの摂取すらカロリーを減らすこともあますので、プロテインの代わりにBCAAを摂取するという方法もあります。
話題のサプリメントHMB
最近、インターネットを中心に広告が展開され、注目を集めているサプリメントであるHMBも、筋肉の分解を抑制する効果が期待できます。
HMBを摂取することで筋肉の分解を促進するユビキチンプロテアソームという物質の働きを抑えることが出来るようになり、筋肉の分解を遅らせることが出来ます。
摂取方法については、1日3gを目安に摂取するようにして、トレーニングを行う日はトレーニングの前後に摂取するようにしましょう。
HMBには筋肉を合成や疲労回復を促進する働きもあるので、減量中の筋肉が減りやすい時期にはありがたい効果があります。
プロテインと一緒に摂取しても問題ありません。
まとめ
以上、減量中の筋肉の減少を抑制する方法について紹介してきました。
減量中は筋肉が減ってしまうことは仕方のないことです。
減量中、いかに脂肪を落として筋肉を残せるかが大事であり、減量中の過ごし方で見映えも変わってきます。
今回解説した内容を参考にして、減量期をうまく乗り切れるようにしましょう。