筋トレだけではダメ。筋肉を増やすための増量期の食事方法について
2018.07.08
筋肉を付けるためには、当然筋トレをハードに行い筋肉を鍛える必要があります。
しかし、筋肉はただ単に筋トレを頑張るだけでは大きくすることはできず、トレーニング以外の要素も大事になります。
今回の記事では、筋肉を大きくするための食事方法についての情報を紹介していきます。
筋肉はどのようにして肥大するのか
筋肉が大きくなるには、一連のプロセスを経る必要があります。
その中で、食事は非常に重要な役割を占めています。
筋肉が大きくなる流れ
筋肉を大きくするためには、まずは筋トレなどのトレーニングや運動をして筋肉に刺激を入れる必要があります。
筋肉に刺激を入れることにより、筋肉の繊維が破壊されます。
破壊といっても決して怪我をしているという状態ではなく、筋肉の成長のために必要なプロセスであるということを認識しておいてください。
そして、この破壊された筋肉に栄養と休養を与えることで筋肉は回復し、以前よりも強く太くなっていきます。
つまり、筋トレ以外にも、次のトレーニングに向けた栄養摂取としっかりとした休養も筋肉の成長には必要なプロセスということになります。
筋肉を付けうえでの食事の重要性
筋肉を付けるうえでは筋トレ以外の要素も大事になると解説しましたが、では食事では具体的に何を摂取すべきなのでしょうか。
まず筋肉を付けるうえで欠かせない栄養素はタンパク質ですのでタンパク質量を豊富に含む食材をしっかり食べるようにしましょう。
タンパク質はアミノ酸が複数に結合したもので、筋トレを行う人には欠かせない栄養素です。
肉や魚、または卵に多く含まれるタンパク質は筋肉の材料となり、筋肉の回復や怪我の予防にも寄与する大事な栄養素です。
その他にも、タンパク質を効率良くに吸収させるための栄養素もしっかり摂取しないといけません。
ちなみに、1回の食事で吸収できるタンパク質は、約30g程とされますので、一度に100gなどの大量摂取をせず、こまめに摂取しましょう。
プロテインを飲むことでもタンパク質を手軽に摂取できますので、こうしたものも活用しましょう。
増量期における食事方法
筋肉を大きくするには、増量期という時期を設ける必要があります。
この増量期の期間にいかに筋肉を付けることができるかが肝心になってきます。
増量に関する誤解
増量に関しては、しばしば誤解をしている人を見かけます。
例えば、「筋肉を付けながら脂肪を落とす」、「1か月で筋肉だけで3kg増えました」
などと言っている人がいますが、これはかなり難しいことであり、特に後者については100%無理でしょう。
おそらく1か月で体重が3kg増えたとしたら、そのほとんどは脂肪のはずです。
まず、確実に理解しなければいけないこととして、筋肉を付けるにはそれなりにカロリーを摂取しなければならず、結果として筋肉とともに脂肪もついてしまうということはある程度避けることのできないことということです。
人間は何もしなくても生命維持のために自然と消費されるカロリーがあります。
人によって消費されるカロリー量は違いますが、これを基礎代謝といいます。
したがって、筋肉を増やすためには、食事によって摂取カロリーが消費カロリーを上回る必要があります。
基礎代謝は男性の場合、例えば体重70kgで30歳の場合、約1500kcalとされ、女性の場合体重50kgで30歳の場合1100kcalとされます。
その他、日常生活や運動でもカロリーを消費していますので、男性の場合は大体1日で2000kcal、女性の場合は1500kcal消費しているということになります。
つまり、増量するにはこれよりも多いカロリーをしっかり摂取しないといけないということになります。
ただしこれには例外もあり、例えば筋トレを開始して間もない初心者で、筋肉量が全く無いような人の場合は、体脂肪が落ちつつ筋肉量が増えるということはあり得ます。
何を食べて筋肉を増やすか?
摂取カロリーが消費カロリーを上回ることで筋肉は増えていきますが、好き勝手にカロリーを摂取すればいいということではありません。
例えばバルクアップの名目で毎日お菓子ばかり食べていても、筋肉はあまりつくことはありません。
仮に増量(バルクアップ)期間中の摂取カロリーを3000kcalと設定したとしても、その3000という数字の中で、糖質と脂質とタンパク質の三大栄養素、すなわちPFCバランスをどのように考えるかが重要になります。
そして、増量期においては摂取カロリーのうち50%を糖質から、30%をタンパク質から、残りの20%を脂質から摂取することをおすすめします。
ちなみに糖質とタンパク質は1gでカロリーは4kcal、脂質は9kcalとなります。
1日の摂取カロリーを3000kcalとする場合、糖質を300g、タンパク質を225g、脂質を66g摂取する計算になります。
これはあくまで目安であり、三大栄養素の比率についても個人差があります。
まず自分でPFCを調節し、これがベストだと感じる割合を見つけてみるといいでしょう。
増量(バルクアップ)の種類
増量期においてはカロリー摂取を多くしていく必要があり、さらに三大栄養素のバランスをしっかり取る必要があることを説明してきました。
しかし、さらに三大栄養素を細分化し、バルクアップを行うことがポイントになります。
ダーティバルクで筋肉を付ける場合
ダーティバルクとは、1日あたりの摂取カロリーを決め、さらにPFCバランスも決まれば後はその範囲内で好きなものを食べてよしとする方法です。
例えば、ピザや焼き肉、スナック菓子を食べたり、脂質含有量の多い肉を食べたりしても、設定カロリー範囲内でありPFCバランスが取れていればOKという考えかたです。
ダーティバルクのメリットとデメリット
ダーティバルクのメリットとしては、数字の範囲内で好きなものを食べることができるという意味で、ストレスを感じることなく食事ができるということになります。
細かくメニューを考えることなく食べることができるということで余計な神経を使うことがないので、トレーニングに集中することができます。
一方デメリットとしては、健康面を無視して好きなものを食べることで体の不調を引き起こしてしまう恐れがあるということです。
飽和脂肪酸を多く摂り、塩分を多く含む食品を過剰に摂取することで、血液の循環が悪くなったりという異常が生じる可能性があります。
クリーンバルクで筋肉をつける場合
一方のクリーンバルクとは、上記のダーティバルクと対極にあるバルクアップのやり方で、摂取カロリーと摂取栄養素のバランスを決めたうえで、さらに何を食べるかまでこだわって食べるという方法になります。
例えば、炭水化物を摂取する場合にはオートミールを食べたり、肉を食べる時には鶏の胸肉や牛の赤身、マグロなどの魚を食べる、植物性タンパク質として豆腐や豆乳などの大豆製品を食べる、脂質を摂る時にはオリーブオイルやフィッシュオイルなどから摂取するといった方法です。
もちろん、ビタミンやミネラルを含んだ食材や野菜もしっかり食べる必要があります。
クリーンバルクのメリットとデメリット
クリーンバルクのメリットとしては、食材を選んで食べることで、健康面にプラスの効果をもたらすことができるということです。
例えば、同じ脂質1gでも、サラダ油とオリーブオイルでは健康面での影響は全く異なります。
炭水化物の場合も、血糖値の上昇が緩やかな炭水化物(オートミールや玄米など)と上昇が早いもの(白米や小麦粉製品)では、脂肪の付き方も変わってきます。
増量期でもできるだけ脂肪をつけたくないと考える人には、このクリーンバルクが向いています。
一方、クリーンバルクのデメリットとしては、ある程度決まったものしか食べられないということで食事に飽きを感じてしまうということがあります。
量を食べないといけないけれど飽きてしまって食欲がわかないということもあり、毎回の食事がストレスに感じてしまうことがあります。
さらに食事を作る際にも細心の気配りが必要になるので、この点もデメリットでしょう。
増量期の食事スケジュール
増量期においては、1日にどれだけの量を食べるかが大事になりますが、食べるタイミングや、胃袋に休息を与えるタイミングも必要になります。
ドカ食いはダメ
食事を摂る場合には、こまめに分けて食べることを徹底しましょう。
こまめに食べることで、絶えず栄養を送りこむことができ、筋肉の分解を抑制することができます。
ドカ食いをしてしまうと、余計な脂肪をため込んでしまうリスクがあり、また栄養を摂取できない時間を作ってしまうことで、筋肉が分解されてしまいます。
また、人間は1回の食事で吸収できる食事の量には限界があります。
体を大きくしようとしてドカ食いしても、実際に吸収されなければ食べた意味がありません。
胃袋にも休養を与える
増量期を設ける場合、基本的には3か月以上の日程を設けることになります。
しかし、その期間ずっと高カロリーの食事を続けていると、胃袋も疲弊してしまいます。
胃袋の機能が低下すると、体調を崩すだけでなく、栄養の吸収も悪くなってしまいます。
体調を崩すと気持ちも滅入ってしまい、悪循環に入ってしまいますので、適度に胃袋に休息を与えることが大事になります。
基本的には、週に1回通常の食事を行い、しっかりと胃を休ませましょう。
より効率的に増量するために
増量期においていかに体を大きくできるかは、食事をたくさん摂るのが理想的ですが、その他にも意識すべきことがあります。
トレーニングをハードに行う
体を大きくするためには、ジムでトレーニングを行うことが大事です。
特に増量期においては栄養摂取が充実しているので、パワーが発揮しやすくなります。
パワーが発揮できるということはそれだけ高重量を扱えるということになりますので、ガンガン高重量のダンベルやバーベルを使って鍛えていきましょう。
筋肉にしっかりと負荷をかけることでより筋肉は肥大していきます。
そして負荷をかけた筋肉に大量の栄養を送り込むことでさらなる筋肥大を促すことができます。
増量期においては胸、背中、下半身の筋肉を鍛えることがおすすめですが、特におすすめのトレーニングは種目は、スクワットです。
スクワットを行うことにより、男性ホルモンであるテストステロンが分泌されます。
それにより筋肉がより効率的に肥大され、しかもエネルギーもより満ちてきますので、トレーニングの効率がどんどん上がっていきます。
運動量が増えれば食欲も増えていきますので、まさに好循環が生まれます。
消化剤を利用する
食が細い人の場合、日々大量の食事をしっかり摂取することはかなりきつく、気が乗らないと思います。
中には体調を崩してしまったり、食べた後に動けなくなってしまうような人もいると思います。
そこで、消化剤を別途購入し使用することをおすすめします。
代表的なところでいうと強力わかもとやエビオス錠になります。
これらを使用することで、食べた食材を有効に消化することができます。
サプリメントの使用について
増量期においてはとにかく食事から栄養を摂取することが大事になりますが、それではサプリメントの摂取についてはどうでしょうか。
プロテインは適宜摂取しよう
筋トレを行う人にとって、プロテインは大切なサプリメントですが、増量期においてもトレーニング直後などのタイミングで摂取はしておいた方が良いでしょう。
基本は食事からのタンパク質摂取が大事になりますが、時に忙しく、こまめに食事を行うことができない人の場合は、プロテインは非常に役に立ちます。
ただ、プロテインの摂取によりお腹の調子を崩す人もいます。
特に、ホエイプロテインは動物性タンパク質であり、これは腸内で悪玉菌のエサとなり、お腹がゴロゴロしたり、おならの臭いが臭くなる時があります。
増量期においてはただでさえ食事の中で大量のタンパク質を摂取するのに、さらにここにプロテインを摂取することで体調を崩してしまうのは勿体ないことです。
そこで、増量期の時はプロテインの摂取量を減らしたり、ホエイプロテインからソイプロテイン植物関連のプロテインに変更してみるというのもいいと思います。
筋肉の分解抑制するサプリメント
プロテインには筋肉の合成の他にも筋肉の分解を抑制する機能がありますが、プロテイン以外にも筋分解を抑制する効果のあるサプリメントがあります。
まず、BCAA。
BCAAには様々な機能があり、その1つに筋肉の分解抑制効果があります。
特に激しいトレーニング中はエネルギーが枯渇しやすい状況にあるので、適宜BCAAを補給することで筋肉を分解から守ることができます。
さらにここにマルトデキストリンを入れると炭水化物の摂取にもなり、長時間の激しいトレーニングでも高い集中力をもって取り組むことができます。
次におすすめするサプリメントはHMBです。
これは最近注目を集めているサプリメントですが、筋肉の合成効果の他に分解を抑える効果もあります。
摂取タイミングとしてはトレーニング前後がおすすめで、特にトレーニング前の摂取により筋分解を抑えることが可能になります。
まとめ
以上、増量期における食事方法を中心に解説してきました。
増量期は減量期に比べて楽に感じるかもしれませんが、やはり内容を考えて食事メニューやスケジュール、食事時間を考える必要があります。
増量期に筋肉とともに脂肪も付けすぎてしまうと、減量期に入って苦労することになります。
あくまで筋肉を付け、筋力を高めることが目的の期間ですので、脂肪をなるべく付けずに筋肉を大きくできるように食事とトレーニングを意識するようにしましょう。
今回の記事を参考にして正しい知識をつけ、効率的に体を大きくできるようにしましょう。